こんにちは。まっしゅぽてとです。

記念すべき第一弾は、妊活の話をしたいと思います。


私達の妊活はまず、

そもそも子供が持てるのか?(経済的にも・親としても)

というのが原点でした。

まあ、この議論は結婚する前に色々調べて、勉強して答えを出したのですが。


夫婦フルタイムで働いているカップルとして、子供の話をすると、「子供が可哀想」と言われます。

遠まわしでも、「仕事は辞めたら?」というようなことは良く言われます。

でも、我々にとって仕事を辞めて専業主婦 (もしくはパート主婦)になるという選択肢はありませんでした。

これは経済的な理由ですね。


私個人としては、特に大学卒業する頃、

「自分は間違いなく専業主婦には向いていないが、子供を持つと考えたとき、子供のことを考えたら専業主婦になるのが良いんだろうな」

という感じでした。


が、今の夫に出会って、結婚を意識し始めた時に、専業主婦にはならない方が良いんだろうなと考え始めました。

夫の年収は決して良い方ではありません。しかも、それが彼の年代における平均値…より少し上程度であることも知っていました。




1.そもそも母親が就労していると子供に悪影響なのか?

3歳児神話という言葉があります。

3歳までは母親がつきっきりで子供の世話をしないと、子供の発達に悪影響だという言説です。

「神話」という名前が付く通り、実際に何の根拠もない言説ですし、様々な研究で覆されています。

ただし、3歳児神話というのは、全く根拠のない話ではありません。

確かに、人間の成長にとって3歳までの生育は非常に重要です。

人間のニューロン当たりのシナプス数は、3歳頃に完成され、ほぼ固定されます。つまり、人間の基本的な脳の構造はこの期間に決定してしまうと言われています。

ただし、成人期の脳にも可塑性があり、ネグレクトなど明らかに子供に悪影響を及ぼすような家庭環境を除くと、どのレベルが子供の脳に悪影響を及ぼすのか?という点で論ずると、難しいものがあります。

ただ、実際にペリー幼稚園に代表されるような、いわゆる「幼児教育」こそが、最も人的資本収益性(教育に対する費用対効果)の高い教育であることは証明されています。(「学力の経済学(中室牧子)より」)





3歳児神話について、詳しくは日本赤ちゃん学会による3歳児神話の記事を読んでいただければ分かりやすいと思います。

● 3歳児神話 その歴史的背景と脳科学的意味

●3歳児神話を検証する2 育児の現場から

幼児期、子供に対して愛情を持って接する保護者がいることは非常に重要なことです。

ただ、この文献が指摘するようにそれが母親である必要はなく、保育を受けた子供とそれ以外に愛着形成に違いはないという研究が発表されています。

3歳児神話の元になったボウルビィ自身、自著「ボウルビィ母子関係入門」で、「確固とした好意的介入の実際の手本は、熟練した保母さんに勝るものはありません。親は保母さんから多くのことを学べます」という言及があったくらいです。


リンク先に言及があったFriedmanの研究では、母親以外の保育を受けた子供とそれ以外を比較していますが、結論として子供発達に関しては、母親のみが育てるか・母親以外が育てる場(保育)があるかでは差がほとんどないという結果でした。(あっても問題のない範囲)

もっと言うと、保育を利用しているか否かではなく、「親の教育レベルが高い」「家族の収入が高い」「情緒的に多くのサポートがある」「家庭が知的に刺激的な環境である」「母親が精神的に健康である」といった、親や家庭の要因が2~3倍も子供の発達に影響を与えることも分かりました。



ご興味のある方はどうぞ。  


この論文では、
・白人家庭だけではなく黒人・黄色人種家庭も含まれている(人種毎に特徴が違うのも興味深いです)
・1991年から2007年まで、長期的に調査を行っている。
・保育の質と量も考慮に入れた。

ことなどから、非常に信頼性の高い研究だと感じました。

つまり、単に両親ともフルタイムで働いていて、保育園に預けられているからと言って、「子供が可哀想」と言われる明確な根拠はないという結論に至りました。



更に言うと、そもそも性的分業社会(男は仕事、女は家庭)という考え方自体、最近の考え方です。



「結婚と家族のこれから」(筒井淳也)


上記の書籍から引用すると、

現代のいわゆる性的分業は、「欧米においては第二次世界大戦後の1950~1960年代に、日本では1970年代にピークに達します。」

逆に言えば、それまでは男性も女性も有償労働をしている社会だったということになります。

日本に関して言えば、
「しかし日本では、実は専業主婦家庭は欧米社会ほど増えることはありませんでした。」

むしろ、日本において産業構造の変化が激しく短期間で成されたため、

「日本では欧米社会ほど専業主婦家庭が浸透しなかったのです。」

と言及されています。


つまり、私が無意識に感じていた、「子供のためを思うなら専業主婦に」という考え方自体、最近で一部の人の感覚だったというわけです。

なので、この点で心配することは特にないなと判断しました。
(あとは親次第、ということでしょうか)



2.経済的に子供を持てるのか?

結婚を考えた当初、お互いの年収は350万円程度でした。

合わせて700万円程度です。

手取りで言うと、ボーナス除き、1人当たり18万円でした。合わせて月36万円です。

経済的なことを考えるために、この収入を元にシミュレーションしてみることにしました。


①将来どうなるか分からないので、最も悲観的なシミュレーションをする。

②ボーナスはないものとする。

③子供が大学へ行きたいと言ったら行かせてあげたいし、奨学金は最低限が良い。

④夫婦共働きなので保険には入らないものとする。


この試算にあたって、「子供の学習費」調査、「保育料」、「大学の学費」のデータをインターネットから引っ張ってみました。


学費調査によると、

「平成26年度子供の学習費調査」 文部科学省調査より
概要:
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/1364721.htm

調査の統計表一覧

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ざっくり600万収入世帯は、月3~4万くらい捻出できればよいようです。


「大学・短大の進学費用」 さんぽう進学ネットより

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大学の学費は基本的に私立文系学部の費用を貯金しておけば良いかと考えました。

私立の理系に行く場合は、子供にきちんと理由と月々の返済額を説明して、不足額を奨学金で補う形にしようかと思います。

この学習費4万円+大学の費用貯蓄2万円(450万円÷18年÷12ヶ月=2万円/月)=6万円を捻出できれば良いわけです。


私たち夫婦の手取りがあわせて約36万。

ボーナスがありますが、いつもらえなくなるか分からないので計算に入れません。

ざっくり考えて概算すると……。


moneyforchild


こんな感じです。

実際には今のところボーナスは支給されるし・今のところ子ども手当というものがあるので、もう少し貯金できるはずです。
(特にお小遣い・遊興費は削れますし、学習費も習い事のルールを決めれば絞れると思います)

大学の費用も、難しいのであれば奨学金を借りてもらうこともできます。

そのために、学資保険ではなく、もっと流動性の高い貯金もしくは資産運用で貯蓄する予定です。


あまり子供に贅沢はさせてあげられないかもしれませんが、経済的な理由で子供が持てないという訳ではないことが分かりました。



3.保育園に預けられるのか?

都市部では待機児童問題が深刻です。

小池都知事になってから待機児童への予算が組まれ、250カ所程度保育施設が増えたことで、
東京都の待機児童数は3,000人程度減少したそうですが、依然待機児童がいる状況(5,400人程度)です。



余談ですが、待機児童問題には通勤の問題だとか土地の問題だとか保育士の問題だとか様々な議論が交わされていましたが、
結局は予算を組んで金をつぎ込めば解決に向かう問題だったのだなとしみじみ思う次第です。

「子供を安心して産み育てられる環境の整備」に対し平成29年度は1,630億円(前年比+86億円)、平成30年度は1,847億年(前年比+217億円)の予算が組まれています。



(出展:いずれも東京都)


社会問題はさておき、私が結婚を考えていた頃の待機児童問題は更に酷い状況だったので、
なおさら真剣に考えざるを得ませんでした。

経済的なことを考えると、保育園落ちた日本死ねでは済まされないからです。


ニュースでは待機児童が取りざたされがちですが、実際に保活をする人に対して大事になってくるのは「入園決定率」です。

(SUUMOより、働くママとパパを応援! 東京23区・保育しやすい街の選び方 【入園のしやすさ編】)

要するに、認可保育園に申し込んだ児童数に対する実際の入園者数です。

「待機児童」には、例えば自治体によって基準が異なるだとか、そもそも人口の多い街では多く出てしまうという欠点があります。

そこで分かりやすいのが、入園決定率です。

低ければ低いほど、認可保育園には入園しづらいというわけです。

豊島区は90.8%の高水準、北区84.7%や葛飾区77.3%などの下町もかなり良いです。

応募者の中には当然、求職中や他の理由(出産・介護)もいるわけですが、
フルタイム勤務の方が優先して入園できる仕組みになっていますので、上記の3区はかなり期待できます。

つまり住む場所を考えれば、保活も有利に進められるということがわかりました。



総括すると、

①共働きフルタイムで子供を育てること自体は、子供に悪影響というわけではない
②経済的な理由で子供を諦める必要はない
③住む場所を選べば保育園選びも有利に進められる。

ということになりました。


社会的なことを総合して考えると、私達は子供を持っても良いと胸が張れるなと感じました。


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